メモリ転送速度比較

（最終更新日2002年10月16日）

はじめに

唐突ですがSunのultra5って、いろいろありますね。初期リリースの下位モデルが ultraSPARCIIi 270MHｚ 2次キャッシュ256KBで、後期リリースの上位モデルが ultraSPARCIIi 400MHｚ　2次キャッシュ2MB。外見は同じでも約2倍の性能差があるってことですね。でもって、私が所有するマシンは400MHｚ版。ところが、400MHｚ版には2次キャッシュが256KBモデルと2MBモデルがあるらしいことが判明（真偽不明）。この差ってとんでもなく、つうかまさに桁違いに大きいですよね。そんじゃ、私のモデルがどっちなのか気になったけど、キャッシュ容量ってなかなか外からじゃわからない〜。2次キャッシュのチップにはでっかいヒートシンクが付いていてメモリの型番から調べることもできないし。

そこで、いろいろな大きさのメモリブロックを用意して、そのデータ転送速度を調べればわかるだろうということで測ってみました。こういうメモリ速度測定ソフトっていくつかあるようですけど、探すのが面倒だったので、ちょろっと自作しました。ソースはこれ(ただし64bitモード用は別ソース)。速攻で作成したのでバグがあるかも？

それで、実際に速度を測定したところ、はっきりとキャッシュの効果を確認できたうえになかなか面白い結果となったので公開しちゃいました。ついでにパソコンで主流のIntelチップとの比較もしちゃいました。

結果（Intel）

手元のPentiumIIIマシンでテストしてみました。テスト環境は以下の通り。
 

CPU	2次キャッシュ	メモリ	OS	コンパイラ (コンパイルoption)
Pentium3 500MHz	512KB（外部）	PC100SDRAM	WindowsNT	BorlandC++5.5 （-O2 -6）
Pentium3 1GMHz	256KB（内部）	PC133SDRAM	Solaris8	GCC3.1 (-O3 -march=pentium3)
Pentium3-S 1.26MHz	512KB（内部）	PC2100DDRSDRAM	Solaris8	GCC3.1 (-O3 -march=pentium3)


 

• P3-550M-512KBはSlot1タイプの初期のPentiumIII、コードネーム「Katmai」です。2次キャッシュは512KBもありますが、外付けで動作クロックがCPUクロックの半分なのでそれほど速くないです。

　
• P3-１G-256KBはPentiumIII系列では最も一般的なCoppermine通称「河童」 です。2次キャッシュは内蔵でCPUと同クロック動作です。さすがにこれは速いですね。

　
• P3S-１.26G-512KBはPentiumIII系列最強のCPU、「Tualatin」通称「タラちゃん」(^^)。　さすが、転送速度が512KBまできっちりと高いレベルで維持されてますね。逆にキャッシュに収まらなくなったときのギャップは激しいけどね。メインメモリはDDRなのでSDRAMより速いですが、ちょっと物足りないなぁ。

結果（UltraSPARC）

こっちはSunのワークステーションでの結果っす。
 

CPU	2次キャッシュ	メモリ	OS	コンパイラ (コンパイルoption)
UltraSPARCIIi 270MHz （Ultra5）	256KB（外部）	EDO DRAM （64MB×２）	Solaris2.6	GCC3.04 （-O3 -mtune=v9）
UltraSPARCIIi 400MHz （Ultra5）	2048KB（外部）	EDO DRAM （128MB×2＋64MB×2）	Solaris9	GCC3.1 32bit：(-O3 -mcpu=v9) 64bit：(-O3 -mcpu=v9 -m64)
UltraSPARCIIe 500MHz （Blade100）	256MB（内部）	SDRAM ?	Solaris8	GCC3.1 32bit：(-O3 -mcpu=v9) 64bit：(-O3 -mcpu=v9 -m64)


 

• UltraSPARCIIi-270M-256KBはUltra5の初期モデルです。さすがにしょぼい性能です。

　
• UltraSPARCIIi-400M-2MBが問題のUltra5です。２MBまできっちりと高い転送速度を維持しているところを見ると2次キャッシュ２MBモデルであることがわかります。メインメモリはDDRでもなくSDRAMでもない、昔懐かしいEDO DRAMです。メモリバンド幅128bitとはいえ、ちょっと遅いですね（本テストがダメなのか？）。Ultra５&10シリーズは4本あるメモリスロット全てに同容量のメモリを挿すとメモリインターリーブが働き性能が向上するそうですが、このテストプログラムでは効果を確認することができませんでした（なぜ？）。

　
• UltraSPARCIIe-500M-256KBはBlade100です。Ultra5のULtraSPARCIIiと比較するとキャッシュが内蔵／外付けの違いがありますが、速度差はあまりないようです（ほぼクロック比）。メインメモリもSDRAMですが、EDOと違いがありません。

結果（おまけ）

2002年10月時点で最速？なPentium４ 2.8GHｚ＋PC1066 RDRAM の結果を追加しました。　コンパイラが違うから単純な比較をしたらいけないのでしょうけど。。速すぎます。　でも、128KBから速度が落ちているのが気になります。

CPU	2次キャッシュ	メモリ	OS	コンパイラ (コンパイルoption)
Pentium4 2.8GHz	512KB（内部）	PC1066RDRAM	Windows2000SP3	VisualC++6.0 （-O2　など）